抜歯による矯正治療のデメリット
目次
歯科矯正をしたことがある人で抜歯をした人の割合は?
当院にいらっしゃる患者様の30%以上の方が他院にて歯科矯正治療を受けた方がいらっしゃいます。その方々の中には抜歯をして歯科矯正をしたという方がおよそ10%ほどいらっしゃいます。またその方々の10%程度の人が前回の歯科矯正に不満をおもちです。
抜歯による矯正治療のデメリット
抜歯による矯正治療にはいくつかのデメリットがあります。
【抜歯矯正によるデメリット①】抜歯矯正後の痛みや腫れ
矯正治療の一環として抜歯を行う場合、抜歯後には痛みや腫れといった症状が現れることがあります。抜歯に伴う傷口の治癒に時間がかかるため、治療中は食事や口の開け閉めが制限されることもあります。
【抜歯矯正によるデメリット②】横顔のバランスが崩れる可能性
矯正治療による抜歯は、顔のバランスに影響を与える可能性があります。特に、抜歯した部分が顔のプロポーションに大きく関与している場合は、横顔のバランスが変わってしまうことがあります。このため、デメリットとして考えられる場合もあります。
【抜歯矯正によるデメリット➂】治療期間の長さ
矯正治療には時間がかかることがあります。特に、抜歯を伴う場合は、抜歯後のスペースの調整や歯の移動に時間がかかるため、治療期間が延びることがあります。治療には忍耐が必要であり、長期間にわたって通院が必要となることもデメリットと言えます。
矯正で抜歯をするか否かの判断
通常、歯を抜歯するか否かはセファロ分析という手法などを用いて骨の大きさや顎の大きさ、歯の大きさを総合的に判断し、統計学的に良い歯の位置に歯を並べる手法が一般的です。とはいえ、矯正歯科診療に精通したドクターでないと、この分析を見誤る場合があります。
抜歯矯正の失敗にはいくつか理由が考えられます。
もちろん、抜歯が必要な症例であったにも関わらず、抜歯をせずに歯を動かしたことで出っ歯になったり骨から歯が出てしまうケースもありますが、逆に抜歯をしたことで、口元が下がりすぎてしまって老けてみえてしまったりなど、見た目が悪くなってしまうケースも認められます。
日本人はもともと、顎が小さい方が多く、抜歯を必要とする矯正症例もその分多いと考えられています。ですから歯が重なって生えている部分が多い場合は抜歯症例として考えることは間違いではありません。
当院で主に用いるインビザラインによる歯科矯正でも、抜歯をする症例は5%程度いらっしゃいます。
抜歯をするかしないかについては、ワイヤー矯正、インビザラインによるマウスピース矯正など、複数の歯科医院を受診していただき、ご相談なさっていただくことをお勧めします。