メタルフリー治療とは?歯科医が解説!

メタルフリー治療とは

メタルフリー治療とは、金属を使用しない歯科治療のことを指します。金属以外の素材を使用するため、金属アレルギーのリスクがありません。金属アレルギーを持つ患者さんや金属アレルギーの可能性がある方にとって、安心して治療を受けることができる方法です。

また、セラミックやジルコニアなどの金属以外の素材は、見た目が自然であり、審美的な要素も考慮されています。メタルフリー治療を受けることで、見た目に自信を持ちながら治療を行うことができます。

当院では特別な場合を除き、メタルフリーによる治療を心がけています。メタルフリー治療とは、口腔内に金属性の材料を一切使用しない(インプラントを除く、理由はインプラント診療のページへ)治療方法のことを指しますメタルフリー治療は審美的にも美容的にも優れた歯科治療であることはもちろんのこと、歯に金属を使った場合の様々なデメリットを改善できるとお考え下さい。

歯の詰め物は白いもの?金属?

歯科医院を受診した際、しばしば、「歯の詰め物、かぶせものは銀色のものと白いもの、どちらにいたしますか?」と聞かれることがあるかと思いますが、実は大切なのは色ではありません。僕たちのような歯科学を常に学ぶ姿勢の歯科医師にとって、詰め物の色的な要素、つまり審美・美容的な内容は医学的な概念ではありません。

そもそも、例えばやけどなどで皮膚移植が必要になった際にそこに金属のプレートを用いて補完することは行われませんよね。つまり、金属を使用することには理由があり、その理由は歯科医学的な進歩が背景にあります。

メタルフリー治療の特徴

メタルフリー治療の特徴は、金属に比べて虫歯の再発リスクが低いことです。従来の金属の詰め物や被せ物は、時間の経過とともに劣化することがあり、再度修復する必要が生じますが、メタルフリー治療では耐久性が高く、長期にわたって安定した状態を保つことができます。

また、金属と比べて熱や冷たい刺激に敏感ではないため、過敏な方でも快適に食事や飲み物を楽しむことができます。さらに、金属の場合に起こりやすい歯の変色や口臭などの問題も解消されます。

いわゆる審美歯科、美容歯科の材料学的な進歩について

歯の詰め物、かぶせものは1980年代から画期的な進歩を遂げました。医療というのは日進月歩で進歩しており、たとえば、戦後、日本からは天然痘や狂犬病など、数多くの疾患が医学の進歩により撲滅されてきてますよね。

実は歯科診療についても材料学的には著しく進歩を遂げています。
しかしながら、今日の医療費の削減などの問題もあり、戦後から保険診療は金属、自由診療は白いものという保険制度が維持されてきています。

また、正確な考え方としては間違いではありますが、一般的には病気の治療が保険、美容や審美医療は自由診療という考えが主流でした。現在では、保険診療の中にプラスチックや、近年保険で認められたCADCAM冠などのかぶせものが使えるようになり、金属が保険、白いものが自由診療という考え方は完全にまちがっています。

つまり、かつては保険が効かないと言われていた白い詰め物、かぶせものが保険適用になってきていることから、一概に保険診療が審美ではないという考え方が崩壊してきているわけです。